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Feb 22, 2018

Startup Hub Tokyo様主催のイベントに弊社CEO・森川が登壇いたしました!

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GincoMagazine編集部
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StartupHubTokyo様主催のイベントに弊社CEO・森川が登壇いたしました!

先日、TOKYO創業ステーション1F・Startup Hub Tokyoにて開催されたイベント、起業家のためのブロックチェーン・スクール #01「仮想通貨ビットコインは、銀行を破壊するのか?ブロックチェーン技術とその可能性について」に弊社CEOの森川が登壇いたしました。

イベントのタイムテーブルは以下の通りです。

19:00 – 19:10 はじめに
19:10 – 19:50 講義
19:50 – 20:20 ワークショップ
20:20 – 20:40 ワークショップに対する講評と解説
20:40 – 21:00 Q&A

イベントには、登壇者である森川とその著書「ブロックチェーン入門」をご存知の方から、本当に初心者の方まで様々な方が参加しています。中には、高校生の参加者もおり、会場を沸かせていました。

今回の記事ではその様子を詳細にレポートしたいと思います!

講義『仮想通貨・ブロックチェーン入門』

前半の講義は「仮想通貨」「ブロックチェーン」の入門的な解説が中心となりました。

この内容を踏まえて、後半にはブロックチェーン技術の可能性について参加者の方々が積極的に議論するワークショップが行われます。

以下では、森川の講義内容から要点を抜き出して紹介します。

講義の様子

仮想通貨の概観:市場規模と技術的成熟

仮想通貨は、一般に流通している電子マネーとは異なり、ブロックチェーン技術を背景として発行・処理される電子的な価値の総称です。

世界中に1,000種類以上の仮想通貨が存在しており、コミュニティ全体の時価総額は約60兆円にものぼります。これはFacebookの時価総額とほぼ同じです。また興味深いのが、2017年12月にビットコインの時価総額が世界有数の金融機関「Bank of America」を上回ったことです。
参考:https://coinmarketcap.com/

世界全体で流通している法定通貨の時価総額は約4,400兆円、金(GOLD)は約900兆円にものぼるため、仮想通貨が本格的に既存の法定通貨システムと置き換わっていくのであれば、市場の全体的な規模はまだまだ成長の余地が考えられます。

一方、ガートナーの提唱するハイプ・サイクルによると、過度な期待は少しずつ落ち着きつつあり、投機的な価値に注目する「バブル的興味」から、社会的な意義・技術的な役割を評価するフェーズがきています。

(森川の講義内容より抜粋)

ビットコインのどこがすごいのか:P2Pで送金ができること

それでは、ビットコインのすごさとはなんでしょうか。

それは「P2Pで送金ができること」に尽きます。現在の仮想通貨の原点とも言えるSatoshi Nakamotoの論文のタイトルも「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」ですね。

ビットコインの出現により、お金の受け渡しのような厳密な交換(一方が渡したものが、確実にもう一方に受け取られないといけない)を、第三者の仲介を必要としないまま、電子的に行うことができるようになりました。

電子的なやり取りなのに、まるで現金のように相手と直接交換ができ、本当に渡したかどうかを世界中誰もが確認できるように記録しておける。これがビットコインの革命的な点です。

逆に言えば、これ以外の「ビットコイン」自体の魅力(ゼロダウンタイムやネットワークの効率性)については、次のブロックチェーンによるところが多いでしょう。

(森川の講義内容より抜粋)

ブロックチェーンのどこがすごいのか:効率的で透明性と耐改ざん性が高いデータベース

ブロックチェーンは旧来の中央集権型システムと異なり、ネットワーク上の全てのノードが同一のブロックチェーンを共有しています。

ブロックチェーンの代表的な実用例であるビットコインの場合、「新しく正しい情報の記録係」を計算競争による早い者勝ちにしインセンティブを与えることつつ、改ざんコストを高めて不正者を排除し、全員がネットワークに貢献することを合理化しています。

※詳細はこちらの記事をご覧ください
ブロックチェーンとは

中央集権型システムでは「ネットワークの創出・管理」という「ハイコスト・ハイベネフィット」な役割を担うために、信用や実績、資本力などのハードルが存在してきました。

これがブロックチェーンの登場により、コミュニティに共感する参加者を集めるだけで新しいネットワークをどんどん立ち上げていくことが可能になったのです。

(森川の講義内容より抜粋)

ワークショップ『銀行はなくなるのか?あるいはどのように変化するのか?』

森川からの講義が一段落したところで、テーブルごとのディスカッションワークショップが行われました。

『銀行はなくなるのか?あるいはどのように変化するのか?』についての議論が活発に巻き起こっています。

銀行というテーマから少し離れて「法定通貨vs仮想通貨」という論点で議論が行われるテーブルが多かったのも印象的です。

ワークショップの様子

なくならない派のご意見

「仮想通貨に全て置き換わるとは思えない。仮想通貨の場合は個々のステークホルダーの利益によって動くのでいずれ歪が生じ、法定通貨への揺り戻しが起きる。法定通貨が残る以上、銀行もなくならないだろう」

「法定通貨に置き換えるのは、ボラティリティとスケーリングが心配。多分ムリだ」

「10分に1回しか取引が確定しないなら、日常の買い物では使えず、オフチェーンの仕組みを噛ませないといけないなら、そこにまたリスクが生まれる」

なくなるor大きく変わる派のご意見

「銀行の業務を全て洗い出したところ、テクニカルには全て置き換えることは可能だ」

「現在の銀行業はなくなるが、銀行は生き残るのではないか」

「資金をアグリゲーションするようなファンクションが生き残るはず」

「システマティックリスクやボラティリティが高いので、特定地域の特定用途で安定的に発行される仮想通貨が生まれてくる際に音頭を取る立場になるはず」

森川からのフィードバック

これらの意見を受け、登壇者からは以下のフィードバックを行っています。

フィードバック

法定通貨vs仮想通貨という論点で、「法定通貨が無くならないから、仮想通貨は無くなるし、銀行も生き残る」という意見が寄せられましたが、現在多くの国で法定通貨自体をブロックチェーン上で発行する取り組みが進んでいます。

1ドルと同じ価値を保有するトークンを発行しているtetherというものがあります。この役割を国家が行うという方法もあり、一概に二元論で切り分けることはできない現実があります。

ご意見を頂いた通り、銀行が果たしている機能だけを見ると、ほとんどを仮想通貨・ブロックチェーンの新規技術で置き換えることが可能です。ただ、すぐに全てが変わるはずもなく、短期的には既存の法定通貨を扱う業務の専門家として必要です。

預金はもちろんのこと、法定通貨がブロックチェーン上のデジタル通貨として普及すると為替業務自体も無くなりますから、銀行の3業務で残るのは「与信」だけでしょう。

与信とは、情報をアルゴリズムで精査しビジネスに変えることですよね。情報を集めるには、信用が大事です。トラストレスという言葉は誤解されがちなのですが、取引を行う上で必要なオーソライズ機関が不要になっても、ネットワーク自体の信用が問われることは変わりません。

ブロックチェーンの技術によって用途や地域性ごとにネットワークが乱立するようになれば、信用というアセットを持っている銀行が大きなビジネスチャンスを持っているとも言えるのです。

お金を移動させる業ではなく、独自の経済圏を安定して作っていく業や、新たなネットワークを創出する事業者の信用をコンサルティングする業への進化が必要なのかもしれません。

(森川の講義内容より抜粋)

質疑応答

その後、参加者の皆様からご質問に森川がお答えしました。

ワークショップで全体のリテラシーがさらに引き上げられ、核心に迫る質問が多々寄せられます。

Q.量子コンピュータによる51%攻撃とどう向き合うのか?

量子コンピュータの実用化の是非はさておき、膨大な計算力を持った人間がネットワークに現れたとき、限られた人間がブロックを生成し続ける環境が生まれます。

このとき、以下の3つの問題が発生するでしょう。

①マイニング報酬を独占し続ける
②自分に都合の悪い取引を排除する
③自分の保有通貨をダブルスペントし不正に保有額を増やす

このうち②か③が発生した段階で、コミュニティに参加している他の参加者が別のコミュニティを新たに形成(フォーク)すれば、問題があるノードだけを排除して、新たな健全コミュニティが生まれます。

重要なのは、今現在が唯一のコミュニティではなく、その時その時の状況に応じて、参加者が自分たちの属するコミュニティを選べる、という点です。

(森川の質疑応答内容より抜粋)

Q.ビットコインATMを使ったら、オプション手数料を付けなかったのでめちゃくちゃ時間がかかった。こんなの使えるの?

ビットコインを送金する場合、手数料が多い順からブロックに組み込まれていきます。

その際、余分の手数料をオプションとして設定し、高い順からブロックに組み込まれていくため、手数料を上乗せしなかったときに取引承認に時間がかかってしまいます。

これはビットコインのスケーリングの問題と言われ、膨大な取引を担うネットワークとして機能しないのでは?という代表的な指摘です。

そもそも、取引の情報が1MBしかブロックに入らないせいで、後回しにされる取引が発生します。この対策として「ブロックを大きくしていく(ビッグブロック派)」の提案と、「ある程度の取引情報をまとめ、取引だけを結果だけを記録する(オフチェーン派)」の提案の2つが存在します。

前者は「ブロックが大きくなることで、ブロック生成時間が伸びる」という本末転倒の問題があり、後者は「ブロックチェーンに記録される前の情報を誰が処理するのか、どう信用するのか」という問題がありますが、後者の対策が主流となっていくと言われています。

(森川の質疑応答内容より抜粋)

Q.中央銀行がブロックチェーンを利用して仮想通貨を発行するメリットとデメリットは?

パブリックチェーンの場合は、発行上限あるいは発行プロトコルが公に定まっています。

発行上限が決まっていると、ボラティリティが高まりがちなので、緩やかなインフレターゲットを維持するような発行プロトコルを持った通貨が開発されつつありますね。

現在の仮想通貨は、脱法定通貨的な開発者主導のものが多数のため「発行を誰にも管理させてはならない」という通貨が主流です。ただ、先述のような国家発行の仮想通貨は、非常にドメスティックなものになるだろう、というのが定説です。

データを国家が全て追跡できますし、発行プロトコルの変更も可能にしてしまえば金融政策も可能です。

そのため、脱国家・アナーキズムとは少し考え方を変えて、これまで国家の通貨発行あるいは、企業の株式発行みたいなものが、誰でも行えるようになっているというのが冷静な視点なのではないでしょうか。

(森川の質疑応答内容より抜粋)

Q.ブロックチェーンは本当に個人のエンパワーメントなのでしょうか?

結局のところ、技術によって拡張されるのは「可能かどうか」という点で、「上手くいくかどうか」は保証されていません。

個人発行・企業発行・国家発行のコイン同士が信用を競い合うことになります。

ただ、近年来、通貨には新陳代謝が一切行われていませんから、環境が改善することは期待できると思います。

また、絶対抑えないといけない面に対しては国家がカバーする一方で、点・隙間については個人や法人が発行する通貨が活用されるようになるでしょう。

(森川の質疑応答内容より抜粋)

質疑応答

参加者様の声

質疑応答をもって、本イベントは終了となりました。

参加者の方からは以下のような感想をいただいております。

「本を読んでもなかなか分かりにくかったところがクリアになりました」

「ブロックチェーンの技術について、フラットに考える素地がつきました」

皆様、ご参加いただきありがとうございました!

次回アナウンス

大盛況だった今回のイベントですが、2/27に次回「ブロックチェーン技術は、新たなシェアリングエコノミーをもたらすのか?」、3/6に次々回「ブロックチェーン技術で著作権、不動産管理は変容するのか?」が予定されています。

申し込みが殺到しており、現在定員オーバーになっておりますが、参加される方は、ぜひ積極的に弊社・森川と意見を交わしてみてください!

次回イベント https://startuphub.tokyo/event/20180227e1

主催者紹介

イベント主催者
Startup Hub Tokyo 様
URL:https://startuphub.tokyo/vision
運営元:東京都産業労働局 商工部 創業支援課 様
運営会社:テクノロジーシードインキュベーション株式会社 様

登壇者紹介

森川夢佑斗
森川夢佑斗
株式会社Ginco CEO
URL:https://ginco.io/
京都大学在学中にAltaApps株式会社を創業し、仮想通貨ウォレットアプリ開発やブロックチェーンに 係るコンサルティングを行う。現在は、株式会社GincoのCEOとして、仮想通貨時代の新たな銀行の 構築を目指している。著書に『ブロックチェーン入門』(ベスト新書)、 『一冊でまるわかり暗号通貨2016~2017』(幻冬舎)など。

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この記事を書いたライター GincoMagazine編集部
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