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Mar 08, 2019

Blockchain Topic Report|2019,March,8

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GincoMagazine編集部
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本記事では2019年3月2週目(3月2日〜3月7日)のブロックチェーン業界の動向をまとめます。主要なニュース・トピックを市況・投資領域、規制・政治領域、ビジネス・事業領域、プロトコル領域に分けて整理しています。

今週の概観

市況・投資領域

日本でも仮想通貨取引所が証券業に参入しようとしていると報道がありました。アメリカでも既にCoinbaseなど大手の取引所が証券業(Broker-Dealer)ライセンスを持った企業を買収しており、やはり日本も同様の流れとなりつつあるようです。今後はFX型の取引所だけでなく、株式型クラウドファンディングプラットフォームなど様々なプレイヤーが、ブロックチェーン技術を利用して証券業界に参入していくと予想されます。

政治・規制領域

日本では、仮想通貨において資金洗浄の疑いのある取引が2018年には7000件と、前年の10倍以上になっているとのニュースがありました。今後いっそう迅速なAML体制整備が求められそうです。

またアメリカの各州では一部の通貨を証券規制や資金移動業から免除するための法案が提出され、ロシアでも金融資源を国内に引き入れる方針が明確になるなど、各国がオフショア金融システム構築に向けて動いています。

ビジネス・事業領域

国内ではクリプタクトが暗号通貨オプション取引のための子会社を設立したというニュースがありました。マイナーやファンドのリスクヘッジとしての需要が大きい分野ですが、BitMEXなどグローバルな競合とどのように差別化を図るのか、気になるところです。

また、Facebook Coinが2019年前半に発行される見込みで、既に取引所と話を進めているとのことで、こちらも動向に引き続き注目していきたいですね。

プロトコル領域

Litecoinのライトニングネットワークはチャネル数が1000を超えるなど、順調に開発・利用が進んでいます。

また、Bakingと呼ばれるPoSマイニングに近い方法を取るTezosも、マイナーによる初の投票を行いました。多くのプロジェクトが資金難に苦しむプロトコル領域ですが、積極的な開発を継続しているところには期待できそうです。

編集部コメント

今週は日本でもオプション取引所の設立発表・仮想通貨交換業者の証券業参入など重要なニュースがありました。特に仮想通貨交換業者が証券業参入へと動いているというニュースなどは、今後の証券業界の変化を考えるうえでも重要となってくると思います。既存の証券業は規制に守られていますが、事業者は業界再編に直面することになるでしょう。

また、フランスではMoneroやZcashなどの匿名通貨の取扱を禁止する方針が発表されています。金融庁の仮想通貨交換業研究会で匿名通貨の禁止を報告書に入れたときには、「Bitcoinなど匿名性が低い通貨でもオフチェーン処理やミキシングウォレットなど、匿名化の方法があるために無意味ではないか」といった声も聞こえていました。ですが、この規制を踏まえ匿名通貨全般が禁止される方向へと進む可能性が高まったように感じます。

注目トピック

市況・投資領域

  • アメリカニュージャージー州で、LGO Marketという新たな機関投資家向け取引所がオープンしました。取引を行うためには2 of 3のマルチシグウォレットが必要で、秘密鍵は機関投資家、LGO Market、第三者清算期間のAltcoinomyがそれぞれ持つ仕組みだとのことです。
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  • USDTを発行するテザーは、Tronブロックチェーン上でもステーブルコインを発行する予定だと明らかにしました。Tron規格であるTRC-20トークンを利用して、ドルにペッグしたコインを購入できるようにするとしています。
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  • 日本の複数の仮想通貨交換業者が、証券業に参入するため金融商品取引業登録を目指していることが分かりました。QUOINEやビットバンクは2019年内に申請を行う予定であり、ビットポイントジャパンの親会社リミックスポイントは2019年内に業務開始見込みとのことです。
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政治・規制領域

海外
  • アメリカFRBは、ストレステストのシナリオに暗号通貨の暴落を加える予定だということが分かりました。Bitcoinなどが暴落することは、市場に深刻なリスクを与えうるとの判断だということです。
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  • アメリカユタ州で、ブロックチェーン企業を資金移動業から免除するための法案が提出されました。ブロックチェーンを利用した通貨の発行、取引、販売を行う企業が、資金移動業法で規制するべきではないという趣旨となっています。
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  • アメリカロードアイランド州では、一部の暗号通貨を証券規制から外す法案が提出されました。消費目的で利用され、発行の際に金融商品として販売されないことが、「証券ではない」とみなすための条件となっています。
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  • ロシアのプーチン大統領は、デジタル資産の法規制を2019年7月までに制定する方針を定めました。適切な規制を行いつつ、金融資源を国内に誘致することを目的としています。
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  • フランスの金融当局長官は、完全に匿名である通貨の取扱を禁止する方針だと述べました。MoneroやZcashも禁止の対象となるとされています。
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  • タイの金融当局は、ICOセールでのトークン販売に利用することのできない暗号通貨を指定しました。従来は bitcoin (BTC)、bitcoin cash (BCH)、ethereum (ETH)、ethereum classic (ETC)、litecoin (LTC)、XRP、stellar (XLM)が利用できましたが、litecoinとethereum classicが除かれたとのことです。
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国内
  • 日本では、暗号通貨において、2018年に報告された資金洗浄の疑いがある取引の数が7000件に上ることが明らかになりました。これは前年の10倍以上の数となっています。
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ビジネス・事業領域

海外
  • Facebookは、Facebook coinのリスティングを目的として暗号通貨の取引所と話をしているということが分かりました。2019年の前半に発行することを目指して進めているとのことです。
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  • ブロックチェーンスタートアップのPundiXが、新しいブロックチェーンフォンであるXPhoneの詳細を発表しました。XPhoneでは、従来のアンドロイドと同様のモードと、Dappsを利用できるブロックチェーンモードの2つを簡単に切り替えて使うことができるとしています。
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  • 暗号通貨を担保としたレンディングサービスなどを提供しているBlockFiは、複利型の預け入れ口座を開始しました。年利約6.2%になるとのことです。
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  • 暗号通貨カストディのスタートアップであるCasaは、iOSとAndroidスマートフォンを利用したマルチシグカストディに舵を切ろうとしています。誰もがマルチシグウォレットを使えるようになることを目指すとのことです。
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  • カナダの取引所QuadrigaCXでは、CEOが亡くなりコールドストレージから資産が取り出せなくなるという事件がありましたが、EYの調査によって、コールドウォレットはCEOの死後に間違って送金されたもの以外はほとんど空だったことが分かりました。これによって、1億円以上の暗号通貨が行方不明となっています。
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  • PwCの調査によって、暗号通貨取引所のWEXがランサムウェアを稼働させている人物のアカウントと関連していることが明らかになりました。SamSamというランサムウェアを作った容疑者が、WEXを通じて収入を資金洗浄していたとのことです。
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  • ロンドンのブロックチェーンインフラスタートアップであるSETLが、破産申請を行ったことが分かりました。2018年にCSDシステムのライセンスを取得していただけに、驚きが広がっています。
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  • イランのいくつかの主要銀行が、金や不動産などの資産をトークン化するために提携したと発表しました。stellarブロックチェーンをフォークして用い、PayMonというトークンをネイティブトークンとして発行するとしています。
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国内
  • 暗号資産管理サービスのクリプタクトが、オプション販売のための子会社を設立しました。暗号資産の価格変動リスクを回避する手段を提供していくとのことです。
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プロトコル領域

  • Litecoinにおけるライトニングネットワークのチャネル数が1000を越えたことが分かりました。Bitcoinのライトニングネットワークに続いて順調に発展しているようです。
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  • Tezosブロックチェーンでは、ネットワークの変更に関する投票機能が実装されました。Athensと呼ばれる今回の変更では、Tezosをマイニングするための最低保有量が異なる2つの提案から投票が行われるとのことです。
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  • Ethereumのライバルを目指すRChainが、2018年に4億円以上の損失を出していることが分かりました。トークンセールで2200万ドルを得ましたが、2600万ドル以上の支出があったとのことです。
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この記事を書いたライター GincoMagazine編集部
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