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Nov 26, 2018

どのマシンを買えばいい?マイニングマシンの特徴と選び方|Ginco Mining特集

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GincoMagazine編集部
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はじめに

このマイニング特集では、マイニングの基本的な仕組み・方法と収益の考え方をお伝えしてきました。今回はいよいよ、実際にどのような機器を使用するかという実践的な話に入っていきます。

現在、仮想通貨のマイニングで用いられているマシンには、主に「ASIC」「GPU」「FPGA」の3つがあります。

Bitcoinが生まれた2009年当初には、一般的なパソコンのCPUでマイニングが行われていました。しかし2010年の終わりからGPUを使用した採掘が始まり、2011年にはマイニング用のFPGA、2012年にASICがそれぞれ開発されてきました。

この背景には第三回の記事でも簡単に触れたハッシュ計算競争の激化があります。

ASIC・GPU・FPGAのマシンはそれぞれ、以下のような特徴を持っています。

ASIC、FPGA、GPUの特徴

それぞれ詳しく見ていきましょう。

マイニングに特化し効率を上げたASIC

「ASIC」とはもともと「特定用途のための集積回路(ICチップ)」のことで、ある特定の処理のみを行うプログラムをICチップに書き込んだものです。

これをマイニングに応用し、ハッシュ関数にひたすら数値を代入して答えを見つけるといった演算処理に特化したものが、マイニングでは「ASIC」と呼ばれています。ASICの代表的な製造企業としては、Bitmain社やInnosilicon社などが挙げられます。

まとまった初期投資が可能な方・BitcoinやLitecoinを掘りたい方に

ASICを使用するメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 段違いに高い計算能力(ハッシュレート)を誇り、時間あたりにマイニングできる通貨の量が多い
  • コンピュータの知識がなくてもマシンを運用しやすい

BitcoinやLitecoinなどの通貨を採掘する場合、ASICはGPUやFGPAと比べて高効率で計算を行うことができます。裏を返せば、ブロックチェーンとしてASICを認めている通貨では、それ以外の機器でほとんど利益が出ない現状となっています。

またASICについてはマシンの購入・運用が行いやすく参入のハードルが低いという良さもあります。GPUやFPGAは設定や環境構築にある程度の知識が必要となりますが、ASICであれば初心者でも購入してすぐに始めることができます。

ただし、ASICを使用する場合には以下のような点にも注意しなければなりません。

  • 1台動かすだけでも多くの電力を消費する
  • 大きな騒音と高熱の発生を伴う
  • ブロックチェーンの仕様がアップデートされた場合、使用できなくなるリスクがある
  • マイニング以外の用途がない

騒音や消費電力を加味すると、一般家庭でASICを導入するのは現実的とは言えず、データセンターなどの設備を用意する必要があります。したがって、ある程度の初期費用がかかるるということも押さえておかなければなりません。

また、ASICはブロックチェーンの計算仕様(アルゴリズム)ごとに製造されているため、アルゴリズムが変更されてしまうと使えなくなってしまうというリスクがあります。

たとえば2018年3月には、Monero(XMR)などに使用されているCryptonightというアルゴリズムに対応したASICが発売されました。この際にハッシュレートの高騰を嫌がったMoneroの開発陣がハードフォークを行い、MoneroのアルゴリズムがCryptoNightからCryptoNightV7へと変更されました。(現在ではさらにCryptoNightV8へと移行しています。)

このとき、既に販売されていたMonero用のASICを購入していた人は、そのASICでMoneroを採掘することができなくなってしまいました。

これに対して、歴史の長いBitcoinなどの通貨では、マイニングの際の計算競争が激化し続けたこともあり、ASICでのマイニングが一般化しています。

そのため、それ以外のマシンでは太刀打ちできなくなっており、BitcoinやBitcoinCash、Litecoinなどのマイニングを行う場合には最も収益率の高い方法となります。

汎用性の高いGPU

GPUはもともと画像処理用のICチップのことで、ゲーミングPCなどに搭載されているものです。マイニングにも応用でき、CPUよりも効率よく演算を行うことができます。

仮想通貨が盛り上がった2017年には、秋葉原中でGPUを搭載したグラフィックボードが売り切れているとニュースにもなりました。

GPU製造の代表的な企業には、AMD社やNVIDIA社などがあります。

初期費用をかけたくない方・機械が好きな方に

GPUを使用するメリットとしては以下の点があります。

  • GPUボード1枚ごとに様々な通貨をマイニングできる
  • ASICで採掘することのできない通貨もマイニングできる
  • アルゴリズムの変更時にも対処しやすい
  • マイニング以外の使途もあり、マイニングをやめた場合にも無駄にならない

GPUでは、設定を変更することで様々なアルゴリズムに対応できます。そのため仮にアルゴリズムが変更されても、引き続き同じGPUを使ってマイニングすることができます。

また、アルゴリズムの異なる通貨を同時に採掘することも可能です。

一方GPUを使用する際に気をつけるべきこととしては

  • ASICよりも計算能力が劣るため、既にASICが開発されている通貨では収益が微々たるものになってしまう
  • マシンの初期設定や稼働環境の構築には一定以上の知識が必要となる

といった点があります。パソコンに詳しくない方が個人でGPUマイニングを始めるためには、かなりの勉強が必要になってきます。

したがって、GPUは「設備投資に初期費用をかけたくない」「マイナーなコインをマイニングしたい」「機械をいじるのが好き」といった方向けといえるでしょう。

ASICとGPUの中間に位置するFPGA

FPGAは製造後にユーザーが構成を再設計することができる回路のことです。マイニング業界においてはGPUの次に実用化が期待されましたが、ASICがすぐ後に出たため利用が大きく広がりませんでした。

現在、多くのマイナーはASICかGPUのどちらかを使ってマイニングをしていますが、最近ではエネルギー効率という観点からFPGAを見直す動きもあります。

FPGAはGPUに比べて計算量あたりの消費電力が少なく「可変式ASIC」として運用することが可能では?と期待されています。

PC周辺の知識が豊富な方に

FPGAを使用するメリットとしては次の点が挙げられます。

  • GPUよりエネルギー効率が数倍から十数倍良い
  • ブロックチェーンの仕様変更にも対応が可能(ただし自分で設計し直す際にはハードウェアプログラミングの知識が必要になります)

一方で、FPGAには以下のような難しさもあります。

  • どこでどのようなFPGAを購入するのが最適かを判断し、設計・接続を行うためにはコンピュータ関連の豊富な知識が必要となる
  • 計算アルゴリズムが変更された場合、知識がなければ自分では対応が難しい

GPUよりも電気代あたりの報酬が大きくなるため、機械に詳しい方にとっては魅力的なマシンとなっています。

ただ、まだ公表されている稼働実績に乏しいことなどから、その性能には疑義も寄せられており、実際に普及するにはまだ時間がかかると言われています。

どのようにマシンを選ぶべきか?

何を重視するかによって適したマシンは異なってきます。

欲しい通貨がある場合

通貨ごとに最適なマシンは異なります。Bitcoinを採掘したい場合はASICでなければほとんど報酬を受け取ることができませんし、反対にASICでは採掘できない通貨が欲しい場合はGPUやFPGAを選ぶ必要があります。

自分の持つリソースに応じて始める場合

ここまで見てきたように、ASICでマイニングを行うためには設備投資のための初期費用が必要となるため、ある程度の初期投資が可能な方に適しています。また、コンピュータ関連の知識がないという方にもASICは比較的とっつきやすい機械といえるでしょう。

ただし、ASICマイニングにおいても、効率良く熱を逃がせるようなエアフローを構築したり、なるべく省スペースで配置するためには一定のノウハウが要求されます。1人で簡単に始めることができるわけではありません。

一方で、初期費用をかけたくない場合にはGPUやFPGAの方が向いているといえます。しかし、これらを運用するためには相応の知識が求められるため、初心者の方にとってはハードルが高いものとなります。

どの機械を使うにしても、効率良く運用したい場合には専門的な知見を備えた事業者に相談した方が安心だといえるでしょう。

まとめ

ASIC、GPU、FPGAという3つのマイニングマシンそれぞれの特徴をここまでお伝えしてきました。もう一度簡単にイメージをまとめると図のようになります。

マシンのイメージ図

自分のリソースと重視するポイントによって、どのマシンを選択するかを考えていく必要があります。また、一口に「ASIC」や「FPGA」といっても、性能や価格帯によって様々な規格のものが販売されており、正しい情報を見極めて自分の目的に合った製品を購入することが大切です。

Gincoでは、マシンのリースを含むマイニング全般のサポート事業を行っております。

「なるべく効率良く運用したい」「機械には詳しくないがマイニングをしてみたい」「どこでどのマシンを買うべきか分からない」といった方は、こちらからお問い合わせください。

お問い合わせ先:mining@ginco.io

Ginco Mining特集
第0回:マイニング事業者だけが知っている「マイニング投資」のウソ・ホント
第1回:仮想通貨マイニングとは?なぜ、どのように価値を生み出しているのか?
第2回:何をどう始めればいい?マイニングの種類と参加までの流れ
第3回:どう収益を上げればいい?マイニングの収益構造からポイントを理解する
第4回:どのマシンを買えばいい?マイニングマシンの特徴と選び方
第5回:マイニングの落とし穴!?失敗しないためのコツとは

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この記事を書いたライター GincoMagazine編集部
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