マイニングの落とし穴!?失敗しないためのポイントとは|Ginco Mining特集
Gincoマイニング特集では、これまでマイニングを始めるための基礎知識についてご説明してきました。今回は、見落としがちなポイントや失敗しないために気をつけることをまとめていきます。
マイニングマシンの運用ポイント
マイニングにおける収益算定方式については、第3回:どう収益を上げればいい?マイニングの収益構造からポイントを理解するで解説しました。おさらいしておくと、以下の図のようになります。
マイニング報酬は使用するマシンと台数、競争の激しさによって自動的に決まるため、利益を出すにはコストを抑えることが重要となってきます。コストを下げるためにはどのような点に注意すればいいか、見ていきましょう。
電気料金・気温・地価・人件費がランニングコストを大きく左右する
費用に大きく影響するポイントとしては、次の4つが挙げられます。
マシンを動かすための電気代
マイニングするには非常に多くの電力が必要となります。そのため電気代が安い場所にマシンを設置することは、利益に直結するポイントです。
施設の冷却費用
マシンが70度や80度を超える高温になることもありますが、高温になるとマイニング効率が悪くなるため、適宜ファンなどを回して冷却する必要があります。暑い気候の地域では冷却費用も莫大になるため、なるべく寒冷な地域にマシンを置くことも重要です。
地価
施設の規模によっては土地代が高額になることもあります。都市部のような地価の高いところでマイニングを行うのは非効率的といえます。
管理スタッフの人件費
マイニング施設を適切に管理するための人件費も無視できないポイントです。セキュリティのうえでも、また不具合が起こった際の対応のうえでも、施設を管理するためのスタッフは不可欠です。
意外な落とし穴
また、この他にも気を付けなければいけないポイントがあります。
定格電圧の違いと施工コスト
ASICでは、1台で1000W以上の電力がかかる場合があります。
電力(W:ワット)は電流(A:アンペア)×電圧(V:ボルト)で計算されますが、供給される電圧が低い場合にはより多くの電流を必要とします。
ところが、定格電圧が低めに規格化された地域(日本など)で流通する電線ケーブルは、許容できる電流量もまた低く、それ以上の電流を流せば火災や破損のリスクが発生します。
したがって、定格電圧の低い環境下でASICを稼働させようとすると、マシン本来のパフォーマンスが出せないか、過電流で配線に不具合をきたしてしまいます。変圧器を使ったり負荷に耐えうるケーブルを使うこともできますが、導入時のコストが跳ね上がります。
そのため、高電圧・高電流の規格を採用している地域にマシンを設置する方が、リスク面でもコスト面でも有利になります。
輸送費用と故障リスク
Bitmain社など大手のASIC製造企業は中国にあり、マシンを購入する際には輸送費が別途かかります。中国から遠い場所では初期費用が高くなるだけでなく、輸送の途中でマシンが故障するリスクが存在します。
また、マシンを輸出入する経路によって、かかる関税が変わるという点にも留意しておく必要があります。
電力供給と通信環境の安定性
電気代が安くても電力供給が不安定な地域はマイニングに適しているとはいえません。
さらに、通信環境が不安定でネットワークに同期するのに時間がかかると、その分新たなブロック生成に取りかかるのが遅くなってしまうため、マイニングにおいて不利になります。また、南米のように、通信網が都市部に限定されているような地域も向いているとはいえません。
セキュリティの問題
電気代が安くても、治安の良くない地域ではマシンが盗まれたりする可能性があり、実際に盗難事件も起きています。安全にマイニングを行うためには、ある程度治安が良い場所の方が適しているといえます。
マイニングが規制される可能性も
先述のとおり、マイニング事業においては、低料金の産業用電力を使用できるか否かが電気料金を抑えるための鍵となります。同じ国の中で地域によって電力料金が異なることも多いので、よく確認する必要があります。
また、今は電力を安く利用できる地域でも、将来的にマイニングが規制される可能性や増税・電気料金値上げのリスクも存在します。たとえばマイニング事業者に人気のノルウェーでは、2019年からマイニングの助成金がなくなり、電気料金が約30倍になると報道されています。
普段は意識することがありませんが、国が供給できる電力量はその国が調達できるエネルギー資源の総量に左右されます。そのため、極端に電力需要を高めるマイニングが加熱することを嫌うことは少なくありません。
一方、アメリカのワイオミング州のように、仮想通貨・ブロックチェーン事業で地域経済の振興を図るところもあり、そのような場所ではマイニングを優遇する動きもあります。
そもそも仮想通貨全般に厳しい施策を取る地域ではマイニングにも規制がかかる傾向にあるため、地域選択においては、「その地域・自治体が仮想通貨全般に対してフレンドリーかどうか?」を見極めていくことも大切といえるでしょう。
それでは、実際にどの地域を選べば費用を抑えて収益を上げ、安心してマイニング事業を行うことができるのでしょうか。
マシン購入のイニシャルコストは業者によって変わる
まとまった台数のマイニングマシンを購入しようとすると、仲介の販売業者を介することになりますが、この際にどれだけの利ざやを販売業者が必要とするかは、相手次第となります。
そのため、スペックが同じマシンであっても、誰からどのように購入するかによって単価が変わり、結果としてイニシャルコストが増減します。
イニシャルコストが高くなればなるほど、損益分岐点を迎えるのに必要な時間が長くなってしまいますから、信頼関係を築ける事業者を選ぶことも重要です。
マイニングに適した地域
あらためて、仮想通貨のマイニングに適した環境の条件をまとめてみましょう。
- 電気代が安い
- 年間を通して寒冷な気候
- 定格電圧がマシンの仕様に適している
- 物価が低く、人件費や土地代を抑えられる
- マシンの生産拠点が近く輸送コストが低い
- 治安が良い
- 電力供給や通信環境が安定している
- 規制当局が仮想通貨マイニングやブロックチェーン技術に好意的
マイニングでは、電気代が最もランニングコストに影響を及ぼすことから、電気代と気候条件を判断軸に北欧やアイスランド、カナダ等に設置されることが多いです。また、この他にも、モンゴルやジョージアといったユーラシア大陸中央部も有力な候補地として注目を集めつつあります。
まとめ
マイニングで失敗しないためには、施設を置く場所を慎重に選ぶことが大切になってきます。また思わぬところでコストがかかることもあるため、専門性を備えた事業者に相談した方が無難といえるでしょう。
更に、マシンの購入時にはそこに含まれる販売手数料に見合うだけの技術的裏付けや手厚いサポートがあるかどうかを気にする必要があります。
Gincoは、法規制や税金、仮想通貨・ブロックチェーン業界の動向を踏まえた戦略的なマイニング事業を展開しています。
また、モンゴルをはじめとした電気料金の安い地域でのマシンの運用代行やマシンのリース、マシンのリペアなどを含めた、包括的なサポートも行っております。
少しでもマイニングに不安がある方、疑問が拭いきれない方は以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ先:mining@ginco.io
Ginco Mining特集
第0回:マイニング事業者だけが知っている「マイニング投資」のウソ・ホント
第1回:仮想通貨マイニングとは?なぜ、どのように価値を生み出しているのか?
第2回:何をどう始めればいい?マイニングの種類と参加までの流れ
第3回:どう収益を上げればいい?マイニングの収益構造からポイントを理解する
第4回:どのマシンを買えばいい?マイニングマシンの特徴と選び方
第5回:マイニングの落とし穴!?失敗しないためのコツとは